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父の突然の入院でわかったこと|家族を助けてくれた相談先と、備えておきたいこと

実家で母と書類を確認する女性と、「父の突然の入院でわかったこと」「相談先と、今からできる備え」の文字を描いた水彩調のアイキャッチ。 これからに備える

父が脳梗塞で倒れたのは、休日のことでした。かかりつけ医はお休みで、近くに住んでいるきょうだいは出張中。父の様子を知らせる母からのLINEで、そのことを知りました。

今回は、そのときに戸惑ったこと、助かったこと、そして「準備しておけばよかった」と思ったことをお話しします。

「すぐ救急車を」と送らなかったLINE

父の様子を読んで、本当は「すぐ救急車を呼んで」と言いたかったんです。でも、ぐっとこらえました。母を焦らせたら、パニックになってまともに対応できなくなる、ととっさに思ったからです。電話をかけようかとも思いましたが、私の声にも緊迫感が出てしまいそうで、あえてLINEで返すことにしました。

代わりに私から119番しようか迷って、検索したときに見つけたのが「#7119」でした。救急車を呼ぶか迷ったときに相談できる番号で、必要な場合は、救急車の手配につなげてもらえます。母には「#7119に電話して相談して」とだけ返信しました。

#7119は、住んでいる地域で使えるか確認を

#7119は、医師や看護師、救急救命士に電話で相談できる窓口で、緊急性が高いと判断された場合は、119番への転送などもしてもらえます。ただ、全国どこでも使えるわけではなく、実施している地域や受付時間は地域によって違います。親の住んでいる地域で使えるかどうか、総務省消防庁のページで一度確認しておくと安心です。

総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」

もちろん、明らかに様子がおかしいときや、一刻を争うと感じたときは、迷わず119番に電話してくださいね。#7119は、あくまで「迷ったとき」の相談先です。

準備しておけばよかったこと

緊急時の手順を、家族で話しておく

あとから聞くと、父は朝ごはんのときから、手足に力が入りづらい、しゃべりにくい、と言っていたそうです。でも、母が私にLINEをくれたのは、お昼近くになってからでした。

両親には、何かあったら迷わず救急車を、と伝えていました。でも、その「迷わず」が、高齢の親には難しいこともある。あのとき、そう痛感しました。迷ったり、かかりつけ医の留守電の返事を待ったりするより、まずは#7119で専門の人に相談する。それだけでも、前もって家族で決めておけばよかったと、今でも思います。

手足に力が入りにくい、ろれつが回らないといった様子は、脳卒中のサインとして知られています。高齢の親と暮らしている人も、離れて暮らしている人も、「こんなときはここに連絡」という手順を、元気なうちに話しておくと安心です。あれ以来、実家の壁に貼ってある重要な連絡先の一覧には、「#7119」が加わっています。

保険証やお薬手帳の置き場所を知っておく

救急車が到着するまでの間に、保険証やお薬手帳を準備しておくように言われたそうです。あのときは母がいたので、置き場所はすぐにわかりました。でも、もし母も出かけていたら、誰もわからなかったと思います。家族の誰が見てもわかるように置き場所を共有しておくことも、大事な備えなんですよね。

助かったこと:相談先を知り、ケアマネさんにつながれたこと

幸い命に別状はなかったものの、父は長期の入院となり、片麻痺が残ることになりました。実家はバリアフリーではないので、工事費用はどのくらいかかるのか、介護はどうしたらいいのか。最初はいろいろ考えすぎて、眠れない日もありました。

そんなときに、介護に関わる仕事をしている友人に相談したら、まずは地域包括支援センターに連絡するといい、とすすめてくれました。地域包括支援センターは、高齢者の介護や医療、暮らしに関わる悩みや困りごとを相談できる、介護の総合窓口のようなところです。本人だけでなく、離れて暮らす家族も相談できます。

父の場合は入院中だったので、病院の地域連携室の紹介で、ケアマネジャーさんが決まりました。介護認定の申請から、手すりの取り付け工事、退院後のデイケアまで、何でも相談できて、本当に心強かったです。

介護保険は、介護される本人のためだけの制度ではなく、介護を家族だけで抱えこまずに、社会全体で支えるための制度でもあります。そう知ったことに、私はずいぶん救われました。

実家の食卓で、母と一緒にケアマネジャーの説明を聞き、メモを取る女性の水彩イラスト。

住宅改修は「工事の前」に相談を

うちの場合は手すりの取り付けでしたが、段差の解消などの住宅改修にも、介護保険を使うことができます。対象となる工事費の上限は、原則として1人20万円まで。自己負担は、所得に応じて1〜3割です。

大事なのは、工事を始める前に申請が必要なこと。工事が終わってから申請しても、原則として介護保険は使えません。手続きは自治体によって違うこともあるので、まずはケアマネさんに相談して、進めてもらうのが安心です。介護にはお金もかかるので、使える制度はしっかり使いたいですね。

※住宅改修の上限額・自己負担割合は厚生労働省や各自治体の最新情報をご確認ください。

頼れるものには、頼る

介護は、周りの協力がないと本当に大変です。イラッとしてしまうこともあるし、睡眠時間や体力も奪われます。完璧にやろうとして心も体も疲れきってしまう前に、頼れるものには頼る。それくらいでいいと思っています。

知らなければ、利用することもできない制度や人の力があります。でも、「そういう仕組みがある」と知っているだけで、いざというときに選べることが増えます。介護は、ある日突然やってくることも多いもの。私も、戸惑いながら教えてもらって、助けてもらって、ここまで来ました。

だからこそ、少しだけでも、今から知っておくこと。それが、これからの自分や家族を守る備えになると思っています。