ねんきん定期便って、ちゃんと見ていますか?
私は長いあいだ、「なんかたまに届くハガキ」くらいの認識でした。誕生日の月に届いていることを知ったのも、アラフィフになってから。今思えば、それくらい年金のことを身近に考えていなかったんですよね。
そんな私が、届いたら内容を確認するようになったきっかけは、40代のときに封書で届いたねんきん定期便でした。そのとき、自分の年金記録に漏れているものがあることがわかったんです。
ネットやテレビでは、「老後資金が足りない」「年金だけでは不安」といった情報をよく目にします。もちろん気になる話ではありますが、家族構成も、資産状況も、これから必要になる生活費も、人によって違います。
だからこそ、まず知っておきたいのは、世の中の平均ではなく、自分の場合はどうなのかということ。
この記事では、私がねんきん定期便を見るようになったきっかけと、年金について「知らないままにしない」ために意識していることをお話しします。
ちゃんと見るようになったきっかけ
45歳のときに届いた封書を開けてみると、自分のものと思われる年金記録があるという趣旨の案内と、「年金加入記録回答票」が入っていました。
確認してみると、正社員として働いていた期間の年金記録が、すっぽり抜けていたんです。
「え、こんなことあるの?」と驚きました。自分では当然きちんと記録されていると思っていたので、このとき初めて、年金記録は自分でも確認しておいたほうがいいんだと実感しました。それ以来、ねんきん定期便が届いたら、意識して内容を見るようになりました。
ちなみに、ねんきん定期便は毎年誕生月に届きます。35歳・45歳・59歳は封書で、それ以外は原則ハガキ。封書には、年金記録に「もれ」や「誤り」があった場合に使う「年金加入記録回答票」も同封されています。私が気づけたのも、この節目の封書のおかげでした。
不安になる前に、「自分の場合」を知る
年金や老後のお金について調べていると、不安になるような情報を目にすることがあります。
「老後資金はいくら必要」
「年金だけでは足りない」
「今から準備しないと間に合わない」
そんな言葉を見ると、私も「大丈夫かな」と気になります。
でも、よく考えてみると、老後に必要なお金は人によってかなり違います。ひとり暮らしなのか、家族と暮らしているのか。持ち家なのか、賃貸なのか。どのくらい資産があるのか。毎月どのくらいあれば、自分は無理なく暮らせそうなのか。同じ50代でも、状況はそれぞれです。
だから、世の中で言われている金額だけを見て不安になるより、まずは「自分の場合はどうなのか」を知ることが大事。そのためのひとつが、ねんきん定期便の確認です。
50歳以上のねんきん定期便には、一定の条件を満たしている場合、「老齢年金の種類と見込額」が記載されています。これは、現在の加入状況が60歳になる前月まで続くと仮定した見込額なので、将来の受取額がその金額で確定しているわけではありません。それでも、今の自分がどのくらいの位置にいるのかを知る手がかりになります。
ねんきん定期便は、まずここを確認
私は、細かい数字を全部読み解こうとはしていません。まず確認しているのは、このあたりです。
- これまでの年金加入期間
- 加入記録に抜けや間違いがないか
- 50歳以上なら、記載されている年金の見込額

とくに私は、実際に記録の抜けを経験しているので、加入記録が気になります。転職をしたり、派遣で働いたり、扶養に入っていた時期があったり、国民年金と厚生年金を行き来したり。働き方が変わるたびに、「この期間はどうなっているんだろう?」と思うこともあります。
全部を一度に理解しようとするより、「まず、自分の記録におかしなところがないかを見る」くらいから始めても十分です。
ハガキでわからなければ「ねんきんネット」もある
ねんきん定期便を見ても、よくわからないことがあります。そんなときに使えるのが「ねんきんネット」です。
ねんきんネットでは、自分の年金記録を確認したり、将来の年金見込額を試算したりできます。電子版のねんきん定期便を見ることもできます。登録方法は、マイナポータルとの連携か、ユーザIDを取得する方法があります。
ハガキは年に一度ですが、ねんきんネットなら、確認したいときにいつでも記録を見られます。
全部理解してから使おう、と構えすぎなくてもいいと思います。まず開いてみる。自分の記録を見る。気になるところがあれば調べる。それでもわからなければ、次の方法があります。
わからなければ、年金事務所で聞けばいい

年金は、人によって加入状況がかなり違います。前の章で書いたような働き方の変化に加えて、記録に空白のような期間があることも。自分で調べても、「これで合っているのかな?」とわからないことがあります。
そんなときは、無理に自己判断せず、年金事務所で確認するのもひとつの方法です。
日本年金機構では年金相談の予約を受け付けていて、予約受付専用電話などから翌日以降の窓口相談を予約できます。相談時には、基礎年金番号や通知書に記載された照会番号がわかるものを用意するよう案内されています。
昔の私は、「こんなこと聞いていいのかな」と思ってしまうタイプでした。でも、自分の年金のことです。わからないなら、確認すればいい。
わからないことを、わからないままにしておかない。
それも、「これからに備える」ことのひとつだと感じています。
不安につけ込まれる前に、自分の数字を持っておく
老後のお金に不安を感じている人は多いと思います。そして、その不安を刺激するような言葉も、巷にはたくさんあります。
「このままでは老後が大変です」
「今すぐ対策が必要です」
そんなふうに言われると、焦ってしまうこともありますよね。
もちろん、将来に備えることは大切です。でも、何もわからないまま不安だけを抱えていると、必要以上に焦ったり、自分に合っているかどうかわからないものに飛びついたりしてしまうこともあります。
年金記録や将来の見込額を把握していれば、何かを勧められたときにも、「これは本当に今の私に必要なのかな?」と、一度立ち止まって考えやすくなります。
年金だけで老後のすべてが決まるわけではありません。でも、自分の数字を持っていることは、これからの暮らしを自分で判断するための、たしかな材料になります。
「もっと早く見ればよかった」と思っても
年金や老後のお金について確認し始めると、「もっと早く知っておけばよかった」「若いころから考えておけばよかった」と思うこともあります。私自身、ねんきん定期便が誕生月に届いていることさえ、アラフィフになるまで意識していなかったくらいです。
でも、過去に戻ることはできません。今わかったなら、そこから考えていけばいいと思っています。知らなかったことを悔やむより、これからどうするかを考えるほうが大切です。これからの人生においては今日が一番若い日なんです。
知ることは、不安になるためじゃない
年金のことを調べ始めると、どうしても「老後」という言葉がついてきます。不安ばかり大きくなってしまうこともあります。
でも、私がねんきん定期便を見るのは、不安を増やすためではありません。今の自分の状況を知って、「じゃあ、どんな準備ができるかな」と考えるためです。
45歳のときに年金記録の抜けに気づいてからは、誕生日が近づくと「そろそろ届くかな」と思うくらい、ねんきん定期便を意識するようになりました。昔の私にとっては「なんかたまに届くハガキ」だったものが、今では自分のこれからを確認するための、年に一度のチェックになっています。
知らないことが、一番怖い。だから、確認します。
過去を悔やむためではなく、未来をただ不安に思って過ごすためでもなく、今を楽しく生きるために。
参考
- 日本年金機構「ねんきん定期便」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 日本年金機構「年金相談の予約」


